創作小説

小説を主に掲載していきます。

ほら探日記Ⅱ-29 信次郎珍しく動く 2


【いやー、昨夜は下書き段階で終わりにしてしまった。頭の中はてっきり正式投稿したものと思っていたが、なんだろう。年の所為か?】


 社会人となった丸畑は中堅クラスの会社に入る。その会社は支店が沢山あり、その支店の一つで営業業務に就く。
 事務志望だったが、新人教育の一環として、営業を遣らされる。その支店には、年配の女性と若い女性が事務員として居た。
 後は支店長と営業担当者が5人ほどのこじんまりした支店。新人は丸畑一人だけ。


 若い女性事務員の名前は、由井結実子。丸畑は、その結美子と親しくなる。親しくなると言っても、映画を見たりコーヒーを飲んで雑談する程度。それより先には進まない。


 半年ぐらい経ったある日。丸畑は初めて、結美子から飲みに行こうと誘いを受けた
彼女から、大人の付き合いの場に誘われたのだ。丸畑は、当然その先を想像してしまう。
 暫く会社の話題が続いた後、結美子は覚悟を決めたかのように切り出す。
「丸畑さんが女性だったら、好きな男性に身体をプレゼントする?」
 いきなり際どい言葉を投げ掛けて来た。余りにストレート過ぎる。


「ウ~ン。僕は女性の立場では考えられないけど、僕の立場なら言えるよ」
「何て?」
「古い考えかも知れないけど、結婚したいと思える人なら良いかもね。いや、遊びでも喜んで頂くだろうな」
 丸畑は、適切な返答だったのかと不安になる。


「結婚かぁ。彼はそれは無理かも知れない」
「彼? 彼って?」
「未だ無名の歌手なんだけど・・・」
 てっきり、自分の事だとばかり思っていた丸畑は、言葉を失う。さすがにショックを受けた。 


「歌手の卵なんかじゃ、結婚なんて全然考えていないよ。それに、女性ファンて一杯居るんだろ。女には不自由をしていないでしょ。それじゃあ結美子さんはトイレにされちゃうよ」
「トイレ?」
「いや、遊ばれるだけだって事」
「私は遊ばれてもいい。それだけ好きなんだもん」


「そんなのダメだって! 傷付くのは結美子さんだけだよ。後で絶対に後悔するって」
 丸畑は身体を前のめりにして、必死な形相で思い留まるよう説得する。
 しかし、結美子の心は完全に歌手の卵の方に傾いてしまっていて、丸畑の言葉が耳に入っていかない様子だ。


 店を出て、丸畑は結美子が何時も利用する駅まで送る。結美子は別れ際に、彼に言葉を残した。
「私、迷っているの。気持ちの整理が出来たら実家に帰ろうかと。そういう形になったら遊びに来て。丸畑さんと結婚しても良いかなとも思ってるの。丸畑さんの事も好きだから」
 意味深な言葉だった。しかし、丸畑は酔っていて彼女の言葉があまり出来ていない。


 翌日、アルコールが抜けた丸畑は、昨夜の結美子の言葉を思い返していた。
「結婚しても良い? 本当に彼女の本心なのかな。まさか、酔った勢いで、俺にサービスのつもりで吐いた言葉しゃないだろうな」


 歌手の卵だという男との進展が非常に気になるところだが、結実子の「丸畑さんも好き」という言葉に悪い気がしない丸畑だった。


(シッギ)Siggi 飛沫防止 防塵 フェイスカバー 帽子 防水 雨 キャップ レインキャップ 花粉症対策 防護帽 レディース 雨の日 自転車 レインハット レイングッズ レインコート カーキ
(シッギ)Siggi 飛沫防止 防塵 フェイスカバー 帽子 防水 雨 キャップ レインキャップ 花粉症対策 防護帽 レディース 雨の日 自転車 レインハット レイングッズ レインコート カーキ
ウェア&シューズ